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このページは、石油便覧トップの中の第1編の中の第2章の中の第3節 石油製品需給の現状のページです。




  1. 石油需給の推移
  2. 精製能力の現状

1. 石油需給の推移

 以上に見てきたように、2000年以降の石油需給の変化は、需要面ではアジア地域を中心とする非OECD諸国における需要急増、供給面では北海を中心とした古くからの生産地域が生産減退に入った一方で、西アフリカ沖合いの深海やカスピ海といった新たな生産地域の台頭と、生産コストの高さから敬遠されてきたカナダのオイルサンドをはじめとする非在来型原油が供給源として頭角を現してきたことが、最も顕著な点である。

 1990年代以降、世界の石油需給には大きな変化が生じている。すなわち、世界を大きく三つの地域(アメリカ地域:北米+中南米、欧州・アフリカ地域:欧州+旧ソ連+アフリカ、アジア・中東地域:アジア+オセアニア+中東)に分け、需要量、供給量を各々合計して需給のバランスをみた場合、かつては世界の石油供給を補ってきたアジア・中東地域が、域内の需要拡大に伴い、域外への供給余力を失いつつあることがわかる(表 1-2-4)。

 1990年時点では、アジア・中東地域の需要規模がまだ小さく、この地域の最大の供給源である中東OPEC諸国から、アメリカ地域や欧州・アフリカ地域へ原油が流れ込んでいた。これは、旧ソ連やアフリカ等の生産がまだ少なかったため、中東へ依存せざるを得なかったためでもある。しかし、2007年になると、経済発展に伴いアジアと中東の石油需要が大幅に増加したことから、石油需給が域内でほぼ完結する状況まで輸出余力を低下させている。

 その一方で輸出余力を拡大させてきたのが欧州・アフリカ地域である。旧ソ連は、ソ連邦崩壊後の低迷期を脱してカスピ海地域を中心に生産を拡大させており、アフリカも、西アフリカの深海油田が一大油田地帯として存在感を高めている。旧ソ連とアフリカは今後も主要生産地域として期待されていることから、この地域への依存度はますます高まるものと予想される。

表 1-2-4 世界の地域別石油需給の推移
(単位:百万バレル/日)
  1990年 2000年 2007年
  需要  供給 需要  供給 需要  供給
アメリカ地域
(北米・中南米) 
▲5
24  →  19
('90年対比)
▲7
29  →  22
(+5)    (+3)
▲7
31  →  24
(+7)    (+5)
欧州・アフリカ地域
(欧州・旧ソ連・ アフリカ) 
▲3
25  →  22
('90年対比)
+2
22  →  24
(▲3)    (+2)
+6
23  →  29
(▲2)    (+7)
アジア・中東地域
(アジア・ 大洋州・中東) 
+8
17  →  25
('90年対比)
+5
26  →  31
(+9)    (+6)
+1
32  →  33
(+15)    (+8)
世界計 ±0
66  →  66
('90年対比)
±0
77  →  77
(+11)   (+11)
±0
86  →  86
(+20)   (+20)
出所:IEAデータをベースに作成

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2. 精製能力の現状

 1990年代の精製マージン低迷に苦しんできた精製部門は、石油開発と同様、新たな投資に消極的であったため、需要の急増によって、2000年代の中盤には製品供給においても世界的な供給余力の縮小を招いてしまった。

 中でもその影響が顕著に現れたのは、もともと精製能力が不足しており、製品輸入に頼ってきた米国である(表 1-2-5 および表 1-2-6)。米国では製油所の新設こそないが、既存製油所の増強によって、精製能力は1990年以降で最小となった1993年より300万バレル/日以上も拡大している(2006年時点)。しかし、石油需要がこれを上回って伸びたために、不足感は解消されていない。

 精製能力の過剰に苦しんできた欧州は、ソ連邦崩壊後に非効率製油所の整理を行った旧ソ連を中心に300万バレル/日の削減が行われたまま、現在に至っている。

 一方で、経済発展と石油需要の拡大に後押しされた中東およびアジア地域は、その他の地域が精製能力の拡大に躊躇する中、中東地域は製品生産の付加価値を自ら取り込むため、またアジア地域は地域の需要を満たすために、旺盛な精製能力拡張を行ってきた。

 サウジアラビアをはじめとする中東産油国は、1980年代から大型製油所を相次ぎ建設しはじめ、1990年代末に中東は一大精製センターとなったが、現在の原油価格の上昇を受けて中東は一層この傾向を強めており、石油から得られる利益を余すところなく取り込もうという姿勢を見せている。

 アジア地域では、インドが積極的に輸出志向製油所の建設を計画しており、アジアの新たな製品輸出国となる意欲を見せている。中国は、国内需要を満たすために積極的な精製能力拡張を計画しているが、今後の国内需要の動向次第では製品余剰が生じ、製品輸出国となる可能性もある。

表 1-2-5 世界の地域別精製能力の推移
(単位:百万バレル/日)
  1990年 2000年 2006年 増減幅
1990→2006
アメリカ地域
(北米・中南米)
25 27 28 +3
欧州・アフリカ地域
(欧州・旧ソ連・アフリカ)
31 28 28 ▲3
アジア・中東地域
(アジア・大洋州・中東)
18 27 31 +13
世界計 74 82 87 +13
出所:BP統計
表 1-2-6 製油所稼働率(世界平均)の推移
(単位:百万バレル/日)
  1990年 2000年 2006年
原油処理量 61 68 75
精製能力 74 82 87
稼働率 82% 83% 86%

注記:稼働率は精製能力と原油処理量をもとに算出

出所:BP統計

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