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このページは、石油便覧トップの中の第4編の中の第3章の中の第4節 石油備蓄制度のページです。




  1. 石油備蓄の沿革
  2. 日本の石油備蓄制度

1. 石油備蓄の沿革

 OPEC(石油輸出国機構)による資源ナショナリズムの動きが強まった1971年以降、欧米各国では石油禁輸等の事態に備えて石油備蓄強化の動きが進展した。日本においても、OECD(経済協力開発機構)による備蓄増強勧告もあり、1972年度から「60日備蓄増強計画」が行政指導のもとにスタートした。この計画は、1973年の第四次中東戦争による第一次石油危機で中断されたが、1975年3月末にその所期の目標を達成した。

 第一次石油危機による世界経済の混乱を受けて、1974年11月に西側18ヵ国で「国際エネルギー協定」が締結され、OECDの下に国際エネルギー機関IEA)が設置された。IEAは緊急時に消費国間で石油を融通しあう計画の前提として、各国とも同一レベルの備蓄目標を達成する必要があるとし、1980年までに純石油輸入量の90日分の備蓄を行うことを目標とした。

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2. 日本の石油備蓄制度

民間備蓄

 我が国においても、1975年以降毎年5日分ずつ積み増しして、1980年3月末までに90日分の備蓄を実現することを目標とした「90日備蓄増強計画」が策定された。その法律的裏付けとして「石油備蓄法(現「石油の備蓄の確保等に関する法律」)」が制定され、翌1976年4月に施行された。同法では、民間石油会社に石油の備蓄を義務付けた。

 90日備蓄増強計画は、第二次石油危機で1年間足踏みしたが、1981年3月末には石油会社はその目標を達成した。その後、国家備蓄の5,000万klへの拡充(後述)に伴い1989年度以降、民間備蓄は毎年4日ずつ軽減され、1993年度より70日備蓄体制となった。

 民間備蓄取り崩しの実例として、1990年の湾岸戦争時に4日分、2005年の米国ハリケーン(カトリーナ)被害時に3日分の取り崩しが行われ、石油の供給および価格の安定に効果を発揮した。 

国家備蓄

 石油備蓄は、一国の安全保障上極めて重要な施策であり、国自らがイニシアチブを取るべきであるとの認識から、1978年6月、石油公団による石油の国家備蓄が法制化された。

 石油公団による石油の国家備蓄は、まずタンカー備蓄の形で1978年9月に開始され、1989年3月末までに3,000万klの備蓄数量の達成を目標とした。その後1989年度に5,000万kl体制が掲げられ、1998年には5,000万klの備蓄目標を達成した。なお、2001年12月の閣議決定「特殊法人等整理合理化計画」により石油公団廃止が決定され、石油公団が所有していた国家備蓄石油は2003年4月から国へ移管された。現在、国家備蓄石油は2004年に設立された独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が委託を受けて管理を行っている。

表 4-3-7 国家石油備蓄基地一覧(2009年8月現在)
基地名 容量(万kl) タンク概要
苫小牧東部 640 11.48万kl x 55基、4.27万kl x 2基 地上式
むつ小川原 570 11.12万kl x 51基、3.7万kl x 4基 地上式
秋田 450 10万kl x 2基、12万kl x 2基、
30.5kl x 4基、35.3万kl x 8基
地中式
/地上式
福井 340 11.3万kl x 30基 地上式
志布志 500 11万kl x 12基、11.6万kl x 5基、
12.1万kl x 26基
地上式
白島 560 約70万kl x 8隻 洋上式
上五島 440 88万kl x 5隻 洋上式
久慈 175 35万kl x 1ユニット、70万kl x 2ユニット 地下式
菊間 150 59.4万kl x 1ユニット、74.5万kl x 1ユニット、
2.5万kl x 1ユニット
地下式
串木野 175 35万kl x 1ユニット、70万kl x 2ユニット 地下式
合計 4,000    
出所:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構

石油備蓄の現況

 我が国の石油備蓄の現状を国家備蓄と民間備蓄に分けて表 4-3-8 に示す。

表 4-3-8 我が国の石油備蓄の現状(2011年7月末現在)
  国家備蓄 民間備蓄
備蓄日数 115日分 84日分
備蓄数量 4,773万kl(製品換算) 3,665万kl(製品換算)
備蓄内訳 原油 5,010万kl 原油 1,865万kl
灯油 13万kl 製品 1,883万kl
備蓄目標 5,100万kl 内需量の70日分
保有場所 国家石油備蓄基地及び民間タンク(借上げ) 民間タンク
出所:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
および石油連盟

 国家備蓄は9割以上が原油により行われている。2009年7月から原油備蓄を補完するため、1日分の灯油備蓄が開始された。民間備蓄については、原油および石油製品により行われているが、輸入製品については、当該輸入製品と同一の製品による備蓄が原則となっている(精製能力の裏付けがある場合に限り原油代替備蓄が認められる)。これら民間備蓄は、共同備蓄基地に貯蔵されているものを除き、ほとんどが運用在庫と区別されずに、製油所や出荷ターミナルの通常のタンクに貯蔵されている。

石油備蓄にかかわる助成措置

 石油備蓄にかかわる民間企業の負担に対し、政府は、次のような助成措置を講じることとなった。

  1. 備蓄石油購入資金の低利融資
  2. 備蓄施設建設資金の低利融資
  3. 共同備蓄会社への出資及び融資

 備蓄石油購入資金の低利融資の仕組みは表4-3-9のとおりである。

 石油備蓄法の規定では、石油の生産、販売、輸入をする石油精製業者、石油販売業者、石油輸入業者は、「基準備蓄量」を常時保有することを義務付けられた。「基準備蓄量」は直近12ヵ月の事業実績(生産、販売、輸入)を基に計算される。

表 4-3-9 備蓄石油購入資金の融資概要
対象先 1 備蓄義務者(石油精製業者・特定石油販売業者・石油輸入業者)
2 備蓄法第8条第2項の規定による取引関係の確認を受けているグループ
資金使途 基準備蓄量を確保するために必要とする石油の購入資金
限度額 下記算式により算出される金額が上限
<算式>
[1]原重油貸付基準量×(基準保有日数-45日)÷70日÷0.95×原重油CIF価格
[2]製品貸付基準量×(基準保有日数-45日)÷70日×製品CIF価格
[3]貸付金額=([1]+[2])×80%(貸付比率)
(注)
貸付基準量は、貸付年の3月の基準備蓄量に基づき算出
基準保有日数は、80日を上限、かつ借入申請者の過去1年の平均保有日数を上限
CIF価格は、前々年12月~前年11月の財務省貿易統計平均
期間 1年
利率 石油天然ガス・金属鉱物資源機構が調達した利率+調達に係る手数料率
採択基準 直近決算が著しい債務超過となっていないこと、経常損益又は税引後当期損益が3期連続の赤字となっていないこと、等。詳しくは備蓄石油・石油ガス購入資金貸付細則にて規定
担保 要担保
保証人 借入先の代表権を有する役員による連帯保証
出所:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構

「参考文献」

1)独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構「備蓄石油・石油ガス購入資金貸付細則」

2)経済産業省 第13回行政減量・効率化有識者会議(平成18年5月9日)  配布資料「独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構の概要」

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第4編 石油産業の活動

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