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このページは、石油便覧トップの中の第5編の中の第1章の中の第6節 重油のページです。




  1. 種類と規格
  2. 用途
  3. 性状

1. 種類と規格

 重油は炭素と水素からなる炭化水素が主成分であるが、若干の硫黄分および微量の無機化合物などが含まれている。硫黄含有量はおよそ0.1~3.5質量%で、無機化合物は灰分にしておよそ0.03質量%以下である。

 重油は蒸留残油または蒸留残油と軽油とを混合したものであり、その用途に従って粘度、残留炭素、硫黄分あるいは流動点などを調整して製品としたものである。

 種類は動粘度によりA重油(JIS K 2205、1種)、B重油(同、2種)C重油(同、3種)の3種類に大別される(表 5-1-9)

表 5-1-9 重油のJIS規格(JIS K 2205-1991から抜粋)
項目 種類
1種 2種 3種
1号 2号 1号 2号 3号
反応 中性
引火点℃ 60以上 70以上
動粘度(50℃)mm2/s{cSt} 20以下 50以下 250以下 400以下 400を超え
1000以下
流動点℃ 5以下*1 10以下*1
残留炭素分質量% 4以下 8以下
水分容量% 0.3以下 0.4以下 0.5以下 0.6以下 2.0以下
灰分質量% 0.05以下   0.1以下  
硫黄分質量%
0.5以下 2.0以下 3.0以下 3.5以下

注記:*1.1種および2種の寒候用のものの流動点は0℃以下とし、1種の暖候用の流動点は10℃以下とする

  

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2. 用途

 用途としては、A重油が中小工場のボイラー用、ビル暖房用、小型船舶用ディーゼルエンジン用、ビニールハウス暖房用燃料として使用されている。

 B重油は中小工場のボイラー、窯業炉用燃料として使用されてきたが、近年需要は激減している。

 C重油は電力、化学、紙パルプ工業等のボイラー用、大型船舶用ディーゼルエンジン用燃料として使用されている。

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3. 性状

 重油は多種・多様な分野で使用されるため、さまざまな性状が要求されるが、次の項目が特に重要である。

(1) 粘度

 粘度は重油の性状として最も重要なものである。流体として取り扱うためには、A重油、B重油は特に加熱する必要がないが、C重油は40~70℃に加熱する必要がある。またバーナーで重油を十分に噴霧し、完全燃焼させるためには、最適粘度になるよう適正温度まで加熱する必要がある。

(2) 引火点

 普通、重油の引火点は60~150℃の範囲にある。高粘度の重油は適当に加熱して使用するが、この場合加熱温度を引火点以上に高くするときには保安上注意を要する。

(3) 流動点

 重油の低温時における取扱いの難易を判定する目安となるもので、加熱設備をもたない小規模需要家、小型船舶等には、冬期とくに低流動点の重油が要求される。

(4) 灰分

 重油中の灰分は、普通0.00~0.03質量%程度の範囲内でA、B、C重油の順に多くなる。灰分が多いと、ボイラーでは加熱面に沈積して伝熱を悪くする。灰分中に存在するバナジウム、ナトリウムの酸化物はボイラーの加熱器、ディーゼル機関の排気弁など高温部に付着し、腐食の一因ともなる。

(5) 硫黄分

 重油中の硫黄含有量は原油により異なるが、普通、重質のものほど含有量が多くなる。硫黄分が多いと一般のボイラーでは、燃焼ガス中の無水硫酸が低温部で凝縮して、空気予熱器や鋼製煙突を腐食する。ディーゼル機関では、シリンダーライナーやピストンリングの過大摩耗の原因となる。また製鋼、冶金、窯業用では硫黄は製品に混入し、あるいは化合して製品の品質を低下させるので、低硫黄重油が要求される。また、重油の燃焼ガス中の二酸化硫黄(SO)による大気汚染防止の面からも低硫黄重油の供給が求められ、低硫黄原油の輸入、重油脱硫装置の設置などにより対処している。

(6) 発熱量

 重油の総発熱量は大体42MJ/kg~45MJ/kgで、灰分、水分の多い石炭の約1.5~2倍ある。

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