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1. 潤滑管理
潤滑管理とは、工場の予防保全の一環として機械の故障を未然に防止し、常に最高の運転状態を維持して、生産性の向上と製造原価の低減を図る管理システムである。したがって、a.適正な潤滑油を選び、b.その適量を規定し、c.正しい潤滑方法により、d.正しい潤滑期間を維持することが重要となる。潤滑管理を推進するための代表的な手順を以下に記す。
- 実態調査→適油選定と油種統一→潤滑作業周期の決定→潤滑油管理カードの作成→給油個所明示のためのラベル張付け
- 在庫管理→給油管理→使用油管理→潤滑個所の点検と保全→機械の事故統計→修理費用統計→潤滑油消費統計
2. 潤滑油の安全性
潤滑油は、広く一般に使用されているため、潤滑油の安全性について製造者側は、細心の注意を払う必要があり、またMSDS(Material Safety Data Sheet: 商品安全データシート)等で、使用者に啓発を行う必要がある。安全性は、大きく表 5-2-16 のように区分される。
- 表 5-2-16 潤滑油の安全性の区分
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区分 定義 主な項目 危険性 物理的な危害 引火性、自然発火性、爆発性、酸化性 有害性 人体・環境を害する可能性 発がん性、毒性、刺激性、変異原性
潤滑油の危険性は、主に引火性であり、一部の水溶性潤滑油を除き、消防法危険物第4類第2~4石油類に分類される。表5-2-17に2002年6月に改正された消防法のうち潤滑油に関係する部分を抜粋して示す。備考16項注1)の記述に示すように引火点が250℃以上のものは危険物から除外された。しかしこの改正によってその取り扱いについて規制を受けなくなったわけではない。政令によって「可燃性液体類」に指定され、数量が2立方メートル以上で「指定可燃物」として市町村条例の規制の対象となる。また、高温時での使用では、自然発火性が問題となる場合がある。
- 表 5-2-17 潤滑油関連の消防法改正部分
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種別 性質 品名 第4類 引火性液体 一 特殊引火物 二 第1石油類 三 アルコール類 四 第2石油類 五 第3石油類 六 第4石油類 七 動植物油類
既に述べたように、多くの潤滑油は基油に化学化合物である添加剤を加え製造されている。昨今の環境への影響を少なくするという社会的なニーズにより、1999年に「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法:Pollutant Release and Transfer Register)」が制定された。PRTR制度は、人体や生態系に有害な恐れのある化学物質の環境への排出量や廃棄物としての移動量を事業者自らが把握し、国へ報告する制度である。国への報告が義務付けられる第1種指定物質として462物質が規定されている〔平成20年11月現在〕。潤滑油の場合、基油にこれらの指定物質が含まれることはないが、使用される添加剤などに含まれる可能性があるので添加剤選定時には十分注意する必要がある。また、潤滑油は燃料とは違い、一定期間使用された後に新油などと交換され、廃油として処理が必要になる。このような潤滑油の廃油を処理する場合には、1970年に制定された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)」に従って処理しなければならない。この法律では廃棄物を表5-2-18のように分類している。
- 表 5-2-18 廃棄物の種類(廃掃法)
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廃棄物の種類 内容 産業廃棄物 事業活動に伴って生じた廃棄物の内、法で定められた19種類の廃棄物 燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、ゴムくず、廃プラスチック、金属くず 特別管理
産業廃棄物爆発性、毒性、感染性を有し、人の健康または自然環境に関わる被害を生じる恐れがある産業廃棄物 燃えやすい廃油、廃酸(pH2以下)、廃アルカリ(pH12.5以上)、感染性廃棄物等 特定有害
産業廃棄物廃PCB等、PCB汚染物、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素を基準以上含む鉱さい等 一般廃棄物 産業廃棄物以外の廃棄物で、事業所から出る紙くず、ダンボール、木くず、茶がら雑ごみ 特別管理
一般廃棄物爆発性、毒性、感染性を有し、人の健康または自然環境に関わる被害を生じる恐れがある一般廃棄物
そして、廃棄物の排出事業者が廃棄物の運搬、処理を業者に委託する場合は、委託する廃棄物の処理を行う資格を有する業者と契約を結び、マニフェストと呼ばれる廃棄物管理表を交付し、その控えを5年間保管するとともにマニフェストの交付状況を記載した報告書を都道府県知事に提出することが義務付けられる。
[注]
注1)備考16項(抜粋)第4石油類とは、ギヤー油、シリンダ油その他1気圧において引火点が200℃以上で250℃未満のものをいい、塗料類その他の物品であって、組成を勘案して総務省令で定めるものを除く。
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