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コウノトリ物語
 
       
   
世界各地に伝わるコウノトリ伝説
 コウノトリと言えば何と言っても「赤ちゃんを運んでくる」という言い伝えが有名です。愛子様が生まれる前に皇太子様が「子どもはコウノトリの御機嫌にまかせて」と、コメントされていたことを覚えている人も多いのではないでしょうか。
コウノトリが赤ちゃんを運んでくるという話は、もともとヨーロッパで信じられていたものです。コウノトリを国鳥としているドイツ辺りがその話の源となったようで、やがてその伝承が広がり世界中に知れ渡ったと考えられています。
ドイツでは、近くの泉や池からコウノトリが赤ちゃんを運んでくるという伝説が一般的です。コウノトリは「赤ん坊の泉」を支配する地母神ホールダの使者で、祝福と幸運を運ぶ役割を担っているのだといいます。
ドイツの中部、北部と言えば、コウノトリの飛来地です。家の屋根や教会の屋根など町中のいろいろなところでコウノトリの姿をいつも目にしていたドイツの人々にとって、コウノトリが赤ちゃんを連れてきてくれるという話は生活の中でごく自然に生まれてきたものなのかもしれません。
またドイツに近いロシアやポーランドにもコウノトリの子授け伝説があります。ウクライナ北部やベラルーシ東南部に広がる沼地のポレーシエでは、コウノトリが赤ん坊を暖炉の煙突から落とし入れてくれるという伝説があります。これに似た言い伝えはポーランドのカシューブ地方にもあります。ここではコウノトリが暖炉の煙突から蛙を投げ入れ、その蛙が煙突を通って下に落ちると赤ちゃんになる、という話になっています。またドイツの東南に住む「ソルブ人」という民族の間では、赤ちゃんはコウノトリがたらいに入れて運んでくるといわれているのです。
コウノトリは聖書にまで登場していることからもわかるように、かなり昔から知られていた鳥。古代エジプトでは知恵の神の象徴とされていました。太陽神ラーの弟、あるいは長男だと考えられているテフティが、コウノトリに姿を変えてエジプトの人々に神秘学と科学を教えたと言い伝えられています。テフティは医術・学問・魔術などを支配する神。時間と記録を司り、人類全史の記録書の見張り番をしている神です。
眠るときに、頭を翼の下に入れるコウノトリの姿が人の心臓の形に似ていたことから、信仰の対象になったようです。またコウノトリが翼を広げた全長は、寺院の建設時に用いられた長さの単位「キュービット」とほぼ同じだったと言います。
このように、世界にはさまざまなコウノトリ伝説が存在するのです。それでは、現在物語として伝わっているコウノトリのお話を紹介しましょう。
アンデルセン童話~コウノトリ
 あるところで、コウノトリの子どもたちが空を飛ぶ練習をしていました。子どもたちはまだ小さくて、なかなかうまく飛ぶことができません。ある者は高い木から飛び立つことができずに涙ぐみ、またある者は思いきって飛んでみても2、3度翼を羽ばたかせて落下してしまうといった具合でした。そこへ人間の子どもたちがやってきて、
「やーい、鳥のくせに空を飛ぶこともできないなんて」
と、意地悪くはやし立てました。コウノトリの子どもたちはとてもくやしい思いをしましたが、どうすることもできません。そこへペーターという子どもが通りかかりました。ペーターは意地悪な子どもたちからコウノトリの子どもたちを助けてやりました。コウノトリの子どもたちは一生懸命飛ぶ練習をして、やがて一人前のコウノトリになりました。一人前になったコウノトリの子どもたちは、人間たちに赤ちゃんを運ぶ仕事を始めました。
そしてコウノトリたちは、良い子のペーターの家には可愛い弟と妹を届けてあげました。彼らを意地悪くはやしたてた子どもの家には、死んでしまった男の赤ちゃんを届けて仕返しをしたということです。
ヴィルヘルム・ハウフの童話~コウノトリになったカリフ
 バグダッドの王様カリフ・カシドは、ある日、商人から黒みがかった粉の入った小箱と奇妙な文字の書いてある紙を買いました。
その紙には「この小箱の粉をかいだ後、『ムタボル!』と叫べばどんな動物にもなれる。再び人間の姿に戻りたい時には東に向かって3度おじぎをし、もういちど『ムタボル!』と言え。ただし動物の形をしている間は決して笑ってはいけない。もし笑ったら、呪文を忘れ二度と人間には戻れない」と書いてありました。
カリフは、早速側近の宰相と一緒にコウノトリに変身しました。コウノトリたちの会話を聞いては楽しんでいたカリフでしたが、その滑稽なしぐさについ大笑いしてしまい、呪文を忘れてしまったのです。
これはカリフの敵、大魔術師のカシュヌルの策略でした。カシュヌルはまんまと自分の息子ミズラをバグダッドの王様にしました。カリフは大変くやしがりましたが、もうどうにもなりません。カリフはコウノトリの姿のまま、宰相と一緒にさまよい歩きました。やがて古い建物の中で泣いているふくろうと出会います。ふくろうもまたミズラとの結婚を断ったことが原因で、カシュヌルの魔法によって醜い姿にされてしまったインドの姫君だったのです。カリフはふくろうからその古い建物に集う悪人たちの中に、呪いを解く呪文を知っている者がいることを聞きました。ふくろうは悪人たちの集まる日時だけは知っていましたが、ふくろうとの結婚を約束した者にしかその日時は教えられないことになっていると言います。醜い姿のふくろうと結婚しなければならないことは、かなり勇気のいることでした。カリフはさんざん悩んだ末にふくろうに結婚を申し込み、集まってきた悪人たちのうわさ話から忘れてしまった呪文を聞き出すことに成功したのです。
呪文を唱え、ようやく人間の姿に戻ったカリフと宰相が振り向くと、醜かったふくろうは目をみはるばかりの美しい姫君に戻っていました。カリフと姫君と宰相はバグダッドに戻り、カシュヌルとミズラを追放しました。カリフは姫と結婚して、末長く幸せに暮らしたということです。