ニュースリリース
2010年度
2010年6月 7日
高過酷度流動接触分解(HS-FCC)プロセスの普及促進について
記者各位
当社(社長:西尾進路)は、高過酷度流動接触分解(HS-FCC:High Severity Fluid Catalytic Cracking)技術の共同所有者であるサウジアラビアのキングファハド石油鉱物資源大学、サウジアラビア国営石油会社、ならびに、従来型の流動接触分解(FCC)プロセスのライセンサーであるアクセンス社※1、ショー・ストーン&ウェブスター社※2と、HS-FCCプロセス普及促進のための協力体制を構築しましたので、お知らせいたします。
HS-FCCは、従来型のFCCがアップフロー(重力に逆らう流れ)であるのに対し、重力に逆らわないダウンフローを採用することにより反応時間の均一化が計られることで、プロピレンや高オクタンガソリン等を高収率で生産できる画期的な技術です。このHS-FCC技術に従来型FCCライセンサーが保有する触媒循環・再生技術等を組み合わせることで、最適なHS-FCCプロセスを構築し、その普及を図っていくことが今回の協力体制構築の目的です。6月6日には、サウジアラビア国営石油会社本社にて、各代表が集まり今後の普及活動やスケジュールについて意見交換を行いました。
現在、当社グループ精製部門である新日本石油精製株式会社(社長:大野 博)の水島製油所(岡山県倉敷市)では、経済産業省の公募事業として、3,000バレル/日のHS-FCCプロセス実証化研究装置を建設しております。この実証化研究装置は、日量数万バレル/日規模の商業化装置設計のための技術を確立することを目的としており、2011年5月より研究運転を行う予定です。
今後、この実証化装置による事業実施と、今般の普及促進体制の整備により、早期に商業化装置が建設運転され、HS-FCCプロセスが普及することを期待しております。
※1 アクセンス(AXENS)社:フランス国営石油研究所(IFP:Institut Français du Pétrole)の100%子会社。IFPが開発した石油精製・石油化学向けのプロセス技術のライセンス、触媒の販売を実施。FCCプロセスについて多くのライセンス実績を持つ。
※2 ショー・ストーン&ウェブスター(SS&W:Shaw Stone & Webster, Inc.)社:米国のスチームクラッカー(エチレン製造装置)大手ライセンサーであり、FCCプロセスについても多くのライセンス実績あり。
なお、AXENS社とSS&W社は、FCC分野においてアライアンス関係にあるため、HS-FCCについても、このアライアンス関係を活用し、プロセスの普及促進を図る。
【HS-FCC技術開発に関するこれまでの主な経緯】
●2000年~2004年 (財) 国際石油交流センター(JCCP)の技術協力事業として、キングファハド石油鉱物資源大学、サウジアラビア国営石油会社と、サウジアラビアにて、30バレル/日の小規模装置の建設運転を実施
●2007年~2008年 (財)石油産業活性化センター(PEC)の技術開発事業として、3,000バレル/日の実証化装置の設計を実施
●2009年~ 経済産業省の公募事業として、3,000バレル/日の実証化事業を継続
●2009年10月 新日本石油精製株式会社の水島製油所にて、3,000バレル/日の実証化装置を着工
以上
別添資料
- HS-FCCプロセスについて(PDF:416.3 KB)
- HS-FCCプロセス実証化装置建設状況 および サウジアラビア国営石油でのキックオフミーティング(PDF:195.8 KB)